ジャガー・ランドローバーの中国での販売が「半減」→工場創業一時休止。中国市場の「危うさ」を考える




| 中国での販売が「半分」に。その影響で工場稼働停止を余儀なくされる |

ジャガー・ランドローバーが英国ソリハルにある工場を「2週間操業停止する」と発表。
これは英国ガーディアン誌が報じたもので、中国でのジャガー・ランドローバーの需要が減少し、販売が減ったために生産調整を行う必要が生じたということが理由だそう。

9月には販売が46%も落ち込んだとしており、今回の生産調整によって従業員(9000人)の解雇を回避できるとしていますが、単月とはいえど販売が半分になってしまったというのはかなり深刻。

中国市場は大きな半面、不安定さも抱えている

なお、中国市場は非常に大きく、現在世界では「No.1」。
ただし色々な問題もあって、ひとつは「関税と税金」。
輸入車には高額な関税、そして価格や排気量に応じて税金が上乗せされ、販売価格が日本の2.5倍程度になることも(ランボルギーニ・ウラカンだと8500万円くらい)。

そして「規制」も大きな問題で、この規制は一党独裁の中国政府の方針によって簡単に変更され、そして変更の意図は「中国の産業保護」が目的です。
よって、一定量のEV販売を義務付けたり、在庫の保有義務を禁止したり、その他モロモロの規制が「急に」出てきたりして、外国メーカーはこれに踊らされることにもなるわけですね。
さらには販売等の許可を与える/与えないも中国側が恣意的に決めるもので、これも外国の自動車メーカーにとっては不安要素のひとつ。

マセラティ、アルファロメオにまた暗雲。中国の規制が変わり、販売ペースが一気に1/10以下になる

そして最後は「技術移転」。
関税を回避するには中国で生産して「国産車」にするしかなく、しかし工場を建設するには中国の地元企業に50%以上の株式を持たせる必要があり、そうなると中国側に技術が流れることになりますが、もちろんこれも中国政府の「狙い」で、よって中国の自動車メーカーは短期間で直噴エンジンやデュアルクラッチ・トランスミッションを自力で作れるまでに発展しています。



その他にも色々な問題があるものの、中国はその市場規模の大きさにモノを言わせて外国の自動車メーカーを誘致し、そうでなくても関税を巻き上げ、誘致したメーカーからは技術を吸い取って中国の自動車メーカーを育て、ゆくゆくは中国の自動車を世界中に輸出する、さらには中国内において外国自動車メーカーを締め出して中国の自動車メーカーの販売比率を高めるといった戦略を持っているものと思われます。

中国で排ガス規制強化。少量生産メーカーの恩恵が無くなりマクラーレンは登録不可

一部の自動車メーカーは、そういった戦略に辟易して中国から撤退もしくは中国市場の重要度を下げる傾向にありますが、フォルクスワーゲンやアウディ、メルセデス・ベンツといったブランドは「中国重視」。
よってメルセデス・ベンツは自社製品を中国のパートナーにコピーされても「文句を言えない」状況にまで陥っているようで、これはかなり危険なのかもしれません。

一体どういった神経?ベンツの中国提携先がG 63 AMG 6×6をコピーしモーターショーに展示

現在、いかに中国での販売量が多くとも、明日にでも中国政府から「販売禁止」の通知を受けるかもしれず、そういった状況に「社運をかける」というのはちょっと怖い、とも思います。
そうでなくとも、いずれ中国は「輸入車」「外国ブランド」を「中国の自動車メーカーによる国産車」に切り替える方針でもあり、遅かれ早かれ現在の(買い億メーカーにとっての)中国市場は「なくなる」と考えても良さそう。

中国にて規制発動。ベンツ、アウディなど553モデルが「製造禁止車種」に指定される

なお、こういった「不安定さ」を経験したブランド、たとえばロールスロイスやアストンマーティンは中国の重要度を引き下げて「安定市場」の日本へと力を入れており、「ブランドイメージを下げかねない」ということでフェラーリは中国での販売を絞る傾向にあるようですね(現在は日本のほうが中国よりも割当台数が多い)。

アストンマーティンが日本に注力。「日本重要。新しく日本法人や研究施設を設立し日本市場を拡大する」

 

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Source: Life in the FAST LANE.




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